七月だ長い休みが始まるぞ 池内 健治
七月だ長い休みが始まるぞ 池内 健治
『合評会から』(番町喜楽会)
白山 「七月」という兼題は難しいですね。皆さん、かなり苦しんでおられたようですが、思い切ってこのように作った勇気を称えたい。「ああ七月だ」という感じも出ていますね。
百子 教員やっていますと、長い休みが待ち遠しいですよ。本当に素直にこの句を選びました。試験が終わって、「いよいよ休みだ」という思いが込められていて、共感しました。
光迷 私はもう長い休みばかりの年齢だけれど、考えてみたら、孫は夏休みなると毎日、毎日来ますからね。この句、孫とのことで共感する人が多いでしょう。
池内(作者) 私の句です。実感を詠みました。
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六、七十歳代が中心の句会だから、七月→夏休み、の連想なら、まず孫のことを思う人が多いはずだ。ところが作者は自分のことを詠んだ。私立大学副学長の経験者で、現役の教授なのだが、「七月だ」には、夏休みへとほとばしり出た教師の本心が感じられよう。巧まざるユーモアの句、と言えばいいだろうか。(恂)