春深しひっそり閑と父母の家     星川 佳子

春深しひっそり閑と父母の家     星川 佳子 『合評会から』(番町喜楽会) 双歩 「ひっそり閑」という言葉をこういう風に使うのはいいですね。すっかり淋しくなった父母の家・・、春深しとうまく合っていると思います。 而云 ご両親は健在なんだが、静かに暮らされて、閑寂という感じでしょうか。確かに季語とよくマッチしていますねえ。 斗詩子 春闌けて爛漫の季節ですが、両親だけひっそりと暮らしている、その対比がよく伝わってきます。 光迷 これからこういう家庭がどんどん増えてくるということも思いました。 百子 きっと洗濯物なんかも干してなくて、生活感がまるで感じられないようなひっそり閑なんでしょうね。上手に詠まれてますね。 水馬 春深しの「は」、ひっそり閑の「ひ」、父母の「ふ」と、「は・ひ・ふ」が塩梅良く配置されて、響きの良さが出てます。        *     *     *  四月句会の最高点句。作者はこの日、「燕来る卯建並びし宿場町」「頬杖で何やら言ふて春深し」が次席、三席となり、句会史上初めての「天地人独占」の快挙。(水)

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