啓蟄や妻いっぱしの政治論     大沢 反平

啓蟄や妻いっぱしの政治論     大沢 反平 『合評会から』(酔吟会) 臣弘 春になって虫が出てくるように、妻が政治論を語り出したと言うのでしょう。啓蟄をうまく使っている。 百子 これまで物言わず素直に夫に従って生活してきた妻が多かったが、最近はこの句のような人も少なくない。「やったぜ」という感じのする傑作の句ですね。 てる夫 私も同じような感じです。句を見てすぐに選ぼうと決めました。 而云 とてもうまく作った句だと思う。旦那さんは、これからが大変ですよ。 春陽子 年度末になると税金だ、年金だ、と妻が意見を言う。それと啓蟄を結びつけたところが面白い。 涸魚 今の女性はだれでも政治論をやりますよ。だからいくらか古過ぎる感もあるが、面白い句ですね。 二堂 「いっぱしの」という言葉に、ちょっと女性蔑視の感じがしましたが。 反平(作者) 最近、女房が口うるさくなってきた、ということです。(「女性蔑視だ」の声)             *             *  「啓蟄」と同義の語に「驚蟄」があると知ってビックリ!。とたんに作者の顔が浮かんできた。(恂)

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