冬麗や都電とことこ雑司が谷     嵐田 双歩

冬麗や都電とことこ雑司が谷     嵐田 双歩 『合評会から』(日経俳句会・番町喜楽会雑司ヶ谷七福神吟行) 可升 「と」の四連発でリズムが良い。暖かな日差しの中を都電がゆっくり走る、気持良い風景が浮かび上がる。 てる夫 都電荒川線は今や東京名物。「とことこ」の気分がいいですね。 斗詩子 暖かい日差しの中を都電がとことこ、長閑さがあふれる句です。 光迷 やはり「都電とことこ」ですね。車体のデザインも面白かったし、乗って行きたくなりました。 反平 下町ののんびりした雰囲気がよく出て好ましい。           *       *       *  雑司ヶ谷七福神巡りの途中で出会った風景。まさに都電はとことこという感じだった。高度成長時代、通行の邪魔だと弊履のごとく捨てられた都電。その中で唯一、主に専用軌道を走っていたこの線だけが残された。それが今や地域住民の足としてだけでなく、方々から観光客を集める人気者になっている。それにあやかろうと、港ヨコハマはじめ方々で市電復活の機運が盛り上がる。「それ御覧、古いものを大事にしなきゃだめよ」。チンチン、ゴットン、ゴー・・・(水)

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