成人の当世娘花魁風 藤野 十三妹
成人の当世娘花魁風 藤野 十三妹
『合評会から』(酔吟会)
涸魚 成人式の娘さん、昔は振袖に白い襟巻というの定番だったが、最近はテレビなんかで見ると、ほんとに花魁もかくやという恰好。当世をうまく詠んだもんだと感心しました。
百子 本当にそうですねえ、親はどんな人なんだろう、どう思っているんだろうなんて思っちゃいます。
誰か 親も知らないんですよ。あら、きれいじゃない、なんて言ってる。
てる夫 まあこの句を見てあれこれ考えちゃいましたが、テレビで見る限り、こんな風ですねえ。
* * *
成人の親ということは四十五、六歳から五十歳くらい。高度成長期に甘やかされて育ったから常識を欠くのも多い。当然だが娘に物を教えることなんて無理だ。結果、成人式会場は頭から足の先までごてごてのグロテスクな和服まがいのハタチ娘で溢れかえる。(水)