白菜の四つに割られ売られけり   田中 白山

白菜の四つに割られ売られけり   田中 白山 『季のことば』  白菜は大根、葱と並ぶ冬野菜の代表。鍋料理と漬物に無くてはならない存在だ。とは言え図体が大きい。若夫婦二人や子供一人、老夫婦の世帯では一株を持てあます。というわけで、四つ割で売られる。  でも思い切って一株買って塩漬けを作ることをお勧めする。四つ割りして一日干し、しんなりしたのを桶に入れ、白菜の重さの3%くらいの塩をまぶして圧し蓋を載せ、白菜の倍の重さの重石を置いて周りから薄い酢水を2カップほど呼び水として注ぎ込む。桶はなるべく陽の当たらぬ寒い所に置く。翌日には水が上がる。四つ割白菜の根元にさらに三分割できるよう切れ目を入れておくと、根元部分の漬かりが早まるし、丁度良い分量の白菜漬けを簡単に裂いて取り出せる。  浅漬けも美味しいが、少し酸味がきつくなったのも旨い。それを刻んでぎゅっと絞ってチャーハンに混ぜると旨い。白菜漬けとベーコンと葱、ニンニクのみじん切りを一緒に炒め、凹みに卵を落とす。上からスープの素を溶かした湯をじゃっと注ぎ入れ1分間蓋をする。このスープを食べれば風邪なんか引かない。(水)

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