お角力が自転車で行く赤とんぼ 横井 定利
お角力が自転車で行く赤とんぼ 横井 定利
『合評会から』(日経句会)
双歩 脱力的なゆったりとした、平和そのものの情景が伝わってくる。とぼけた雰囲気もありますね。
智宥 言葉遣いが面白い。特に「お角力(すもう)」ですね。「赤とんぼ」も利いている。
反平 私はこういう光景をみたことあるが、ユーモラスです。
万歩 浴衣を着た、入門したての太った相撲取りが、小さく見える自転車でゆらゆらと行く。その肩越しに赤とんぼが飛んでいる。ユーモラスな俳味とでも言うのか。
ヲブラダ ほのぼのとして、漫画のような光景だ。
正市 「赤とんぼ」がちょっととぼけた使い方で、句全体の景が浮かぶ。ただ「お角力が」の「「が」が散文的になってしまうのではないか。「の」の方がいいかな。
水牛 「の」の方が俳句的だが、これは童画のような口語俳句だからこのままでいい。
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自転車に乗った力士を後ろからを見ると、膝が左右に開いて、蹲踞(そんきょ)の姿勢のようである。(恂)