広島忌七つの川の靜かなり   田中 白山

広島忌七つの川の静かなり   田中 白山 『合評会から』(番町喜楽会) 光迷 広島は中州のような地形で、大小の川がいくつも流れています。今それらの川は静かに流れているという。広島忌を良く言い表しています。 而雲 あの日の川の光景はひどいものだったと体験者から聞いた事があります。この句も、昔を知っている人が、今、その川を見ているんですね。 正裕 原爆でひどい火傷をした人たちは、熱くて、必死に水を求めたそうです。川にどんどん集まった。その当時と、静かな今とがつながっています。 てる夫 「川は靜かだ」と詠んで、被爆の惨状をまざまざと思い起こさせる、見事な詠み方だと思いました。 双歩 先生が必死になって生徒達に「川に飛び込め」と言ったというんですね。しかし、遅れて来た人たちはもう飛び込む余地が無いほど人で埋まっていたそうです。「七つの川の靜かなり」とは、いかにも静かにしかも重く感じます。           *     *     *  広島忌は8月6日。淡々と今の広島を詠んで、阿鼻叫喚の地獄図を思い起こさせる。実に奥行きの深い句である。(水)

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