夕立やにこりともせず迎え傘      植村 博明

夕立やにこりともせず迎え傘      植村 博明 『合評会』(日経俳句会) 智宥 こんなおっかない句が大好きなので・・・。お母ちゃんが夜半にブスッとして迎えに来たら、これは怖い(笑い)。ニヤリとして採りました。 啓明 迎えに来るだけ立派ですよ(笑い)。 正市 これは(欠席投句の)植村さんの句。実体験でしょう。 ヲブラダ にこりともしないのは、機嫌が特に悪いわけではないと思いますよ。いまさら(笑顔でもない)という感じなのではないでしょうか。 *              *  前回の作者・智宥さんの言うように、この句を見ればニヤリとしたくなる。しかし駅の売店でビニール傘を買えばいいのに、などと思うのでは読みが浅い。夫が駅に着く時間を知らせたから、奥さんは迎えに来ていたのである。帰りがてら「たまには軽くいくか」と二人で酒場に寄ったりするかも知れない。にこりともせず分かり合っているなら、若い男女の遥かに及ばぬ境地だ。ベテラン夫婦の一種の理想像と見る。(恂)

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