まひまひの見られていると早回り      大澤 水牛

まひまひの見られていると早回り      大澤 水牛 『合評会から』(酔吟会) 恂之介 人間が見ているな、とマイマイ(ミズスマシ)が気づいて、格好いいところを見せようと得意げにくるくると早く回るというのですね。とても面白い句です、これは。 反平 小さな虫の気持ちが感じられて、かわいいなと思った。 てる夫 人影を見ると動くような、面白い生態があるのかも知れない。それを虫の気持ちになって詠んでいる。しかし嘘か真(まこと)かと言えば、真が二、三分かな。(大笑い)            *            *  この句はミズスマシを詠んでいる。小さな甲虫で、池や水たまりに飛んで来て、水面をくるくると泳ぎ回るのが得意技だ。ところが「ミズスマシ」という呼称は地方によって「アメンボ」を指すのでややこしい。そこで作者は混同を避けるために、ミズスマシの別称「マイマイ」(旧仮名遣いは「まひまひ」)を用いた。この句は、マイマイが見ている人の気持ちに応えて、くるくると素早く回って見せたのだという。見ていない時はさぼっているのか。人が見ていないのだから、誰にも分からない。(恂)

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