市の花と知りて花屋へ日日草   井上 庄一郎

市の花と知りて花屋へ日日草   井上 庄一郎 『この一句』  「日日草というのが市の花なのか。どんな花かな」と散歩がてら花屋をのぞいた。なんのことはない、我が家にも一鉢あったし、散歩の道すがらしばしば見かけるありふれた花だった。オシロイバナにちょっと似た3、4センチの小さな筒状の五弁花で、赤、ピンク、赤紫、白など、たくさん咲く。次から次へと新しい花が咲くので、この名前がついたのだという。  日本の国花は「桜」、それに見習って何時の頃からか都道府県がそれぞれの「花」を定めるようになった。今ではそれが市区町村にまで及んでいる。どの町もやってるからといった軽い動機で決められているようで、住民すら知らない「市の花」「区の花」がいつのまにか生まれている。  作者がお住まいのさいたま市の花をネットで調べたらサクラソウとあった。おやおやと、さらに探ると、日日草は「浦和区の花」と判明した。浦和に根を生やしていらっしゃる作者にしてみれば、いまだに浦和はれっきとした「市」なのかも知れない。それはさておき、このように日常のちょっとしたことをさりげなく詠む日記風の句も、なかなか味の良いものではないか。(水)

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