ドローンの眼見渡す限り青田かな     竹居 照芳

ドローンの眼見渡す限り青田かな     竹居 照芳 『この一句』  おー、青田にコレが出てきたか、と嬉しくなった。現在のドローンは悪者になりがちだが、人類にとっての利器はとかく危険が付きまとっている。刃物にしろ、銃器にしろ、要は扱い方次第なのだ。自分の田の上にドローンを飛ばし、稲の出来具合を確かめるというのなら、文句を言う人はないだろう。  どのように見えるのだろうか。高ければ見渡す限りのはずだが、ぐんと高度を下げて、苗の伸び具合、稲の花の付きぐあいなども確かめることも出来そうだ。これからは田の畔でコントローラーを操る人を見掛けるようになるのだろう。家の中で操縦し、寝たきりの祖父に見せたりするかも知れない。  作者は新聞記者の職を退かれてから、俳句に手を染めた。取材の対象は以前と大きく変わったはずだが、“昔取った杵柄”を同じように振るっておられる。芭蕉の俳論の基本とも言える「不易流行」に照らせば、この句は「流行」なのだろう。しかし時事ものに目を光らせる姿勢は「不易」(不変)である。(恂)

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