白雲を乗せて田水の夏初め   大沢 反平

白雲を乗せて田水の夏初め   大沢 反平 『合評会から』(日経俳句会) 二堂 田に水を引いて白雲を乗せた空が映る。上に空、下にも空という感じでいかにも夏らしい句。 恂之介 「映し」が普通で、「乗せて」がどうかなとも思うが、水が見えて感じのいい句です。 啓明 白雲が映っているのを「乗せて」と言ったのが、爽やかな初夏の雰囲気。 正裕 やっぱり「乗せて」がいいんじゃないですかね。「映し」だとありきたりだと思いますが。 てる夫 今さかんに田んぼに水を引き入れている。それが田水。「田水の夏初め」というと、どうも季重ねの感じがしてちょっと引っかかった。           *       *       *  確かに「田水の夏初め」には重複感がないでもない。しかし、「田水」はこれから秋口まで潤沢に注がれるわけで、田水そのものは季語ではない(「田水沸く」は盛夏、「田水落とす」が秋の季語)。「田水の夏初め」で爽やかな感じがするし、日本の原風景をそのまま詠んだ大らかな感じがなんとも言えない。(水)

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