朽ちゆくもいま柿若葉露地の家   水口 弥生

朽ちゆくもいま柿若葉露地の家   水口 弥生 『合評会より』(日経俳句会) 正 「露地」「朽ちゆく家」「柿若葉」の対比が面白い。お互いに響きあって、世代の交代も感じられる。 智宥 露地奥の四〇坪の敷地で柿の木のある家、今の世相がよく出ている。 てる夫 家は朽ちても柿の木は元気ですという、対比なんですね。句全体の調子もいいし、テンポのいい句だと思いました。 大虫 家は年々右肩下がりでダメになる。柿の木は季節が来れば生き生きとなる、その対比。 反平 うちの近くにも空き家が次々出ている。柿の木を残したままの空き家が何軒かある。作ろうと思ったが出来ず「やられた」。 正市 上五と季語の対象が効果的。柿若葉のズームアップ。           *       *       *  高度成長期からバブル時代、私の住んでいる横浜も奥の奥の方まで宅地開発され、夢のような高級住宅街がいくつも出現した。今やそれらがゴーストタウンになろうとしている。柿若葉の生き生きとした緑が残酷に映る。(水)

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