割り箸を割れば木の香のひらく夏     大下 綾子

割り箸を割れば木の香のひらく夏     大下 綾子 『合評会から』(日経俳句会) 反平 「木の香」が、いかにも夏が始まったという、爽やかさを感じさせる。いい句ですね。 庄一郎 割り箸の匂いはわずかだと思うが、デリケートな状態を感じ取り、夏が来たと見事に詠いあげた。 臣弘 これは音の聞こえる句ですね。音と匂いです。両方ともうまい具合に「ひらく」で収めている。 反平 音まで聞こえたというのは、素晴らしい感想だ。 青水 みずみずしい感性がほとばしり出ている。割り箸の香が夏をひらく、という大げさな表現が効いている。 正裕 割り箸をパキンと割った時に夏を感じた。感性の素晴らしさでいただきました。 明男 何でもない割り箸。それをパチンと割れば木の香りがして夏がやってくる、という。写生句は対象をじっと見つめて作れと、よく言われますが、それを地で行ったような句です。 智宥 今どきの東南アジア製の割り箸から木の香がするのかなと疑問を持ちましたが。          *               *  「ひらく夏」がやや疑問、いや素晴らしい、という議論もあった。「割り箸を割れば木の香や夏来る」では平凡か。(恂)

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