長閑なり添い寝の親も寝息かな      印南 進

長閑なり添い寝の親も寝息かな      印南 進 『この一句』  赤ん坊に添い寝していたお母さんが、我が子に続いて自分もすやすやと寝てしまったのだ。作者(母の父親)は、ほっとして「ほう、寝たか」とつぶやいている。妻はいつも娘に、いろいろ助言をしているのだが、男性の作者としては、子育ては大変だなぁ、と思いやるのが精いっぱいである。  雰囲気からして、奥さんは外出中なのだろう。見守り役を引き受けた作者は緊張気味であった。孫が寝たようで、ひと安心したところに、娘の寝息も聞こえてきた。この安らかな気持ちはどう表現したらいいのか。作者は「おお、そうだ」と気づいた。次の句会の兼題が何と「長閑(のどか)」であった。  ところで「長閑なり」の「なり」は切れ字なのだろうか。俳句解説書では、このあたりが曖昧になっているが、私は「切れていると感じれば“切れ字”だ」と決めている。この句の場合、「なり」と最後の「かな」との響きが何となくしっくりこない。下五の「寝息かな」に手直しが必要なのだろう。(恂)

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