幼子を遺して棺のフリージア       竹居 照芳

幼子を遺して棺のフリージア       竹居 照芳 『この一句』  幼い子を遺して、若い母親が逝ってしまったのだ。その子供や家族は言うまでもなく、葬儀に列した人々の誰もが、心からの哀悼を捧げずにいられない。棺の人と対面するのは辛いことだが、葬儀の最後にはご家族に続いて列に並び、ご遺体の周囲を花で飾って、お別れの挨拶をしなければならない。  葬儀社の人から花を渡されている。近年の葬儀では造花の花輪を見かけなくなり、代わって祭壇に生花を供えるようになった。その中の花を手にしているのだが、白菊のほかにもさまざまな花が加わり、鮮やかになってきた。贈り主は、故人の人柄に相応しい花を注文し、供花の中に加えるのだろうか。  フリージアと言えば、私はすぐに黄色と思うのだが、調べて見たら白、紅、紫、オレンジなど色さまざまらしい。フリージアの花言葉は色ごとに異なり、白はあどけなさ、黄は無邪気、赤は純潔、紫はあこがれ、などになるという。亡くなった若い母親に相応しい花言葉が、その中にあるのかも知れない。(恂)

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