嫁といふむすめに出会ふ春の宵   金田 青水

嫁といふむすめに出会ふ春の宵    金田 青水 『合評会から』(日経俳句会) 光迷 春の宵にかみさんと散歩していると、向こうから息子の嫁が買物か何かでやって来る。思いもよらない時に出会ったという面白味、諧謔味が出ている。 恂之介 予期しない時に出会ったんですね。若い女性だな、と思ったら嫁だったということか。 正裕 私は、嫁にやった自分の娘にばったり会ったのではないかと解釈した。 てる夫 作者は息子の嫁に出会ったときに、ときめきを感じたのではないだろうか。 昌魚 私のところも息子二人に嫁をもらったが、この句には、嫁さんなんだけど、娘なんだという気持が滲んでいます。           *     *     *  何と言っても「嫁といふ娘」という表現が面白い。嫁の方も「おとうさん」「おかあさん」と呼んでくれるのだから、こちらも「むすめ」と言うのは当然だ。というよりも、これはもっと親近感がこもっている。時にづけづけと物言いする娘より、老いの身を労ってくれるやさしさが嬉しい。これも春の宵の温もりだ。(水)

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