春ともし津軽優しき訛りかな   嵐田 双歩

春ともし津軽優しき訛りかな    嵐田 双歩 『合評会から』(番町喜楽会) 啓一 何となくいいんですな(大笑い)。津軽弁と春ともしが響きあって、ほんわかした気分が漂う。 可升 ほのぼのとします。 斗詩子 北国に春が来たことが感じられる温もりのある句です。           *     *     *  ほんとに「なんとなくいい」句である。津軽弁というものの温かさが思い浮かぶせいであろう。土地の人同士が喋っているのを聞いていると、よそ者にはよく分からない。だが、なんとも言えないぬくもりを感じる。  寒いから頭巾や布で顔をすっぽり覆って、口を十分に開かずに喋る。それで声がくぐもって、ああした訳の分からぬ言葉になるのだ、と、ずいぶん乱暴なことを言う人がいた。その当否はさておき、確かに北辺の冬はモノを言うのも嫌になるくらい寒い。四月になってようやく春。人々の口もほぐれてくる。  春ともし、津軽、優しき、訛りかな、と、ぶつぶつ切れたような詠み方は、無意識の所産なのであろうが、特殊効果をもたらしているようだ。(水)

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