寒の池上田贔屓のコウノトリ 堤 てる夫
寒の池上田贔屓のコウノトリ 堤 てる夫
『合評会から』(日経俳句会)
佳子 上田には農業用水の池がいっぱい。コウノトリが遊びに来るんですね。吉兆のようでお正月句会で目出度いなと。
反平 「上田贔屓」がいいね。ほのぼのとしたいい句です。
好夫 私も「上田贔屓」に惹かれた。兵庫の豊岡が繁殖地ですが上田でも巣を作っているのか、絵になっている。
光迷 豊岡で人工飼育して百羽くらいになっている。今ではあっちこっちに飛んで行ってる。いい光景ですね。
智宥 去年見た鳥が今年も来ている。それを「贔屓」と捉えたところがうまい。
☆
昭和46年、日本の自然界では絶滅とされたコウノトリ。兵庫県豊岡市は昭和40年から人工飼育、孵化に取り組み成功、平成17年自然界への放鳥を開始した。平成25年9月上田市塩田平に一羽が飛来、溜池で泥鰌を捕っているのが観察された。足輪標識から平成23年5月17日豊岡生まれのメスJ0041と判明。上田が気に入ったのか翌平成26年10月にはそれが引き連れて計7羽飛来したという。ここで自然繁殖するようになれば万々歳なのだが。(水)