蕪炊く今日一日のねぎらひに   岩沢 克恵

蕪炊く今日一日のねぎらひに   岩沢 克恵 『合評会から』(番町喜楽会) てる夫 いかにもおいしそうな匂いが漂って来ますねえ。 春陽子 「今日一日のねぎらひに」というのがいい。年の瀬の慌ただしさ、忙しさなどとは何にも言ってはいませんが、そういう感じも伝わってきます。 光迷 いかにも優しい心情。冬の一日の終わりにほかほかと温かい気分が漂って・・。 白山 ほっこりして、温かな感じがいいですね。           *     *     *  年末の忙しい一日をなんとか切り抜け、懸案事項を片付けることができた。近ごろ「頑張った自分を褒めてあげたい」などという甘ったるいセリフをよく聞くが、そんな浮ついた言葉では表せない安堵感に浸っている。ことことと湯気をあげて蕪が煮えている。その甘い香りに包まれながら、キッチンの椅子に身を預け、半ばまどろんでいる。──「大根炊く」ではなく「かぶら炊く」としたところに、なんとも言えない優しい雰囲気が滲み出て来たのではないかと思う。(水)

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