新旧の村人集ふ牡丹鍋         田中 白山

新旧の村人集ふ牡丹鍋         田中 白山 『この一句』  地方出身者が生まれ故郷に戻るのが「Uターン」。都会から地方への直線的な移住が「Iターン」。故郷に戻らずに別の地方に住む「Jターン」もあるが、ともかく都会から地方へと移り住む動きが確かにある。さればと過疎に悩む自治体が、あの手、この手を繰り出して、都会人を地元に誘っている。  村人たちも都会人の流入に理解を示すようになった。地元の習慣を教えたり、農業の手ほどきをするなど、新隣人へのもてなし振りが、テレビなどによって伝えられる。猪肉を手に入れた、牡丹鍋を作ろう、新しく来たお隣さんも呼ぼうじゃないか、というようなことがしばしば行われているのだろう。  あたかも猪や鹿による作物の食害が目立っているが、被害を避けるだけでは能がない。地元にはハンターの他に、捕獲・肉処理・販売の業者などが生まれ、肉の買いやすく、食べ易い状況が生まれているという。新旧の村人の集う場となった「牡丹鍋パーティ」。これはまさに現代の一風景なのである。(恂)

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