納豆どすか居ておへんえと京の宿     藤野十三妹

納豆どすか居ておへんえと京の宿    藤野十三妹 『合評会から』(酔吟会) 詠悟 京都のいやらしさがよく出ていますな。関東の食べものは、ゲスなものと思い込んでいます。この人、宿の仲居ですかね。知らないはずはないが、知らん顔をする。 反平 京都人の会話をそのまま俳句にした。その面白さが出ていて、とてもいい句だ。 恂之介 京都の人は「居ておへんえ」なんて言うのですか。京都弁が面白い。 水牛 納豆なんていう名の人は知りません、という意味でしょう。 恂之介 ははぁ、そういうことですか。納豆を知っていながら、そんな名前の人は、と・・・。 十三妹(作者) 私は水戸生まれだから、京都住まいの時は苦労しました。納豆のことはトラウマですね。              *           *  一年中、作られ、食べられている納豆がなぜ冬の季語なのか。ある歳時記が「納豆汁」だけを季語としていることで、大方の事情が知れる。すなわち現今は、納豆汁を通じて納豆にも思いをはせる、ということなのだろう。温かいご飯の上に載った納豆にも、冬の季節感がありそうな気もするが。(恂)

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