その時は銀河の涯を探り見む     篠田 義彦

その時は銀河の涯を探り見む    篠田 義彦 『季のことば』  その昔、人間は銀河(天の川)を天空に流れる大河と見た。やがて天文学の進歩によって、地球を含む太陽系も銀河の一部であり、地球は取るに足らぬちっぽけな星の一つであることが分かってきた。しかも宇宙の情報はまことに膨大にして難解で、素人では銀河の実態を理解できないほどになってしまった。  ならば銀河の果てを、我が目で確かめてやろう、という壮大な句が登場した。大ボラであことは、作者も読む側も先刻承知である。「その時」とは、あの世へ行く時なのだろう。臨終の際、人間の脳は不思議な働きをするらしいから、ひょっとすると銀河の真実を見極められるか、という思いも生まれる。  俳句における銀河は長らく七夕伝説に付随する存在だったが、やがて句材として独立し、秋の夜空の主役と言えるほどになった。「冬の星」の傍題だった「冬銀河」も、いつの間にか独立した項目を得て、秋の銀河を上回るほどの人気を得ている。立冬も過ぎた。夜空に冴え渡る冬銀河を句にしてみようか。(恂)

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