庭園の新婚撮影小鳥来る       大石 柏人

庭園の新婚撮影小鳥来る       大石 柏人 『この一句』  作者は大きな団地のラジオ体操主宰者である。この時期は毎朝、暗いうちに会場に立ち、参加者を待ち受けて、自ら考案した「元気」印のハンコを出席カードに押す。長くやってきた俳句も、このところ「体操もの」ばかりになった。「体操俳句」という新分野を開拓しようという意欲が感じられる。  句会への投句も体操オンリーになった。もちろんいい句も少なからずあるのだが、作者が分かってしまうだけに選び方が悩ましい。そんな時に出てきたのが上掲の句である。披講後、作者が判明した時、「ほう」という声が起きた。心なしか「そうか、よかった」という雰囲気が感じられた。  この句、新郎新婦が式場の広い庭に立ち、家族や友人たちが廻りを囲んでいるという場面である。芝生が一面に広がり、植え込みも当然あるはずで、「小鳥来る」という季語の持つ明るさが快く描かれている。「投句の半分くらいはこのような句を――」。後輩の一人として、そんな期待を抱いたのであった。(恂)

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