ぐあぐあととろろ擂る母日曜日   高井 百子

ぐあぐあととろろ擂る母日曜日   高井 百子 『合評会から』(番町喜楽会) 水馬 これはもうまさにオノマトペの「ぐあぐあ」が明るくて、美味しそうで、いただきました。 大虫 擂り鉢を擂る音をうまく表現してますねえ。        *     *     *  これもとろろ擂りを詠んだ句だが、「お母さん」に焦点を絞っている。選者の評の通り擬音語の効果が鮮やかだ。擂粉木を回す音は「ごろごろ」「ごりごり」と書くのが普通だが、作者は「ぐあぐあ」だという。  オノマトペとは音を感じたままを文字に写すのだから、人によってさまざまに変わる。しかし、自分勝手な表記では読む人に分かってもらえないから、自ずと収斂していって、犬は「わんわん」、猫は「にゃあにゃあ」と定まって行く。  しかし、オノマトペを用いて俳句を詠もうとすれば、新機軸を打ち出したくなるのが人情である。この句の「ぐあぐあ」はどうか。ごろごろより威勢が良くて、いかにも勢いよくとろろを擂る感じがする。一家を背負って立つ“肝っ玉母さん”の姿も浮かんで来る。元気が良くてとても気持がいい。(水)

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