キャンパスに戻りし声や葉鶏頭   岩沢 克恵

キャンパスに戻りし声や葉鶏頭   岩沢 克恵 『合評会から』(番町喜楽会) 水馬 いい句ですね。若い学生のパワーと葉鶏頭という、取り合わせの距離がちょうどいい。 白山 そうですね。葉鶏頭が若い男女の声と合っています。 而雲 夏休みが終わった後でしょう。学校にも花壇があるが、隣接の家の葉鶏頭かも知れない。        *     *     *  個人的な好みから言うと、葉鶏頭は暮れに出回る葉牡丹と共に好きではない。自分の庭には植えたくない。あの毒々しいまでの赤紫。時には朱色や黄色、オレンジなどが織り混ざったようなのもある。押しつけがましく、圧倒されてしまう感じがする。  しかし、この句を見て、葉鶏頭に対する固定観念を改めねばと思った。若々しさと勢いがあって、こちらも元気づけられるような気分になる。「物事肯定的に捉えることも大事ですよ」と教えられたような気がしたのである。(水)

続きを読む