朝顔や円錐形に空の青        後藤 尚弘

朝顔や円錐形に空の青        後藤 尚弘 『この一句』  なるほどねぇ、円錐形か、と考えた。その形状を教わったのは小学校か、中学校だったか。頭に描く円錐形は、当然ながら外側から眺めたものである。画用紙を切って普通に作ると丈が高くなり、それが円錐形と思いがちだが、高さの低いずんぐり型、つまり朝顔型ももちろん、あり得る。  青色の朝顔を上から眺めたとする。円錐形を内側から見ている、と言えないこともない。作者はこれに「空の青」を思い描いた。人間は露一粒に宇宙を感じられるのだから、朝顔に大空を思うのはむしろ当然。中心部は白いが、そこに空の奥を感じてもいいのではないか、と「この句びいき」に傾いて行く。  朝顔や、で句は切れている。ならば作者は空を仰ぎ、その青さの中に朝顔の円錐形を見つけた、と解釈することもできよう・・・。しかし俳句は理屈ではない。読み手がどう感じるか、が問題なのだ。私はこの句に「何か」を感じている。その何かが分からないので、いろんな理屈を考えていたのだと思う。(恂)

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