サングラス気持華やぐ魔法かな   池村 実千代

サングラス気持華やぐ魔法かな   池村 実千代 『この一句』  「魔法かな」というのがちょっと言い過ぎではないかと、句会では採らなかったのだが、後から当日の全作品を読み直しているうちに、思い切ってサングラスをかけた時の気持を素直に5・7・5にした感じがなかなかいいなと考え直すようになった。  サングラスの句というと、とかく「本心を隠す」とか「斜に構える」「コワモテ」といった面が取り上げられるが、この句はサングラスの明るい面を詠んでいる。もう何十年も前に大人気だったアメリカから輸入のテレビ番組「奥様は魔女」、それに触発されて生まれたアニメ「魔法使いサリー」などが盛んに発していた、「上り坂の時代」の肯定的な明るさを感じる。  きっとこのサングラスは眼鏡の縁や蔓に金銀宝石などが象眼されたり、凝った意匠のおしゃれ用に違いない。玉の色もあまり黒っぽくなくて、バイオレット、ブルー、セピア系かもしれない。「ちょっと派手かしら」などと言いながら掛けて鏡に映す。なんだか若返った気分になって、嬉しい。(水)

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