托鉢の焼けた素足や秋暑し 高橋 楓子
托鉢の焼けた素足や秋暑し 高橋 楓子
『合評会から』(番町喜楽会)
てる夫 いかにも暑苦しい感じが伝わってきます。秋になっても物凄い暑さだなあとうんざりした様子が出ています。
大虫 素足に草鞋(わらじ)、足の甲は日に灼けやすい。そこに焦点を当てたところがいいですね。
而雲 埃と混じって、いかにも汚らしい。毎日毎日歩いているんでしょう、日焼けと汚れで凄いことになっている。
* * *
作者によれば、つい先日、清水寺に行った道すがら見た行脚僧の様子だそうである。ちゃんとした恰好の坊さんだったが、足が真っ黒なのが異様に映ったという。確かに厳しい修行をしているんだなと思う一方で、暑苦しいなとも感じた。それを正直にそのまま詠んだのだが、「残暑」の気分をよく伝えることになった。(水)