あの寺もこの寺もまたあぢさゐ寺     片野 涸魚

あの寺もこの寺もまたあぢさゐ寺     片野 涸魚 『合評会から』(酔吟会) 冷峰 鎌倉をあちこち歩くと紫陽花の咲いている寺の多いですよ。今では鎌倉中紫陽花寺だらけだ。 詠悟 紫陽花は作るのに時間がかからない。手間もかからないので、あちこちに紫陽花寺ができる。 反平 話は違うが、土壌が酸性だと青に、アルカリ性だと赤くなると言われている。本当なのかな。 水牛 そう言われてはいるが、紫陽花の種類によって発色しやすさの違いがあるようだ。 恂之介 紫陽花はやっぱり青ですね。青い紫陽花の寺は人気が高いのだろう。 涸魚(作者) これ、観念句なんですよ。紫陽花に人気が出ると、すぐに紫陽花の寺が増える。そんな世の中をちょっと冷やかしてみたのですが。              *         *  いま、紫陽花は新種の“花盛り”だという。写真によると「これが紫陽花?」と驚くほど華やかで、鮮やかなものが多い。ただし園芸店で聞いたら「新種の地植えはけっこう難しいですよ。葉っぱばかり茂ったり――」だそうである。あじさい寺に新種時代は来るのだろうか。(恂)

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