憲法九条絶滅危惧種になりし夏   金指 正風

憲法九条絶滅危惧種になりし夏   金指 正風 『この一句』  「これが俳句なのか」という批判的意見もあるだろう。花鳥諷詠を掲げ、いわゆる「俳句らしい俳句」を好む向きは、恐らく目をそむけるだろう。  しかし、俳句には「これが俳句である」という金科玉条は無い。あえて言えば、「季節を感じさせ、多くの人に『なるほどそうだ』と頷いてもらえる十七音詩」ということになろうか。つまり、どんな題材でもいいし、どのように詠んでもいい。この句など、およそ俳句の材料にはなり得ないような事を詠み、しかも平成二十六年のこの上なく暑苦しい夏の気分を刻んだ。というより、作者の怒りと心配と落胆とが吐き出された感じである。これもまた俳句である。  作者は昔鳴らした名物政治記者。何者にも媚びず、さりとて一方的に人を攻撃することなく、穏和な姿勢でなおかつ正論を押し通す人として世間の評価は??かった。今や一線を退き市井の片隅から世の動きを睨んでいる。「俳句らしい俳句」でも名句を数々ものしているが、憲法を閣議決定などで骨抜きにする暴挙を見たりすると、俄然、こうした「俳句らしくない俳句」を突きつけて来る。(水)

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