向日葵やむかし健康優良児       谷川 水馬

向日葵やむかし健康優良児       谷川 水馬 『この一句』  健康優良児とは懐かしい言葉が出てきたものだ。今から半世紀も前、健康優良児は学内のヒーローであった。身長体重が平均以上、学習、運動に優れ、性格明朗というのだから候補に選ばれるだけでも大変である。花に例えれば、抜きんでて背が高く、光輝いている向日葵、ということになろうか。  この句から、昔は健康優良児だったのになぁ、という嘆きの思いが聞こえてくる。どんなに立派な体格や頭脳も、星霜を重ねれば見かけが悪くなり、錆びてもくる。やっぱり酒のせいかな、と思っているが、生活は改まらない。日曜の朝、目をこすって庭を眺めれば、向日葵がばかに眩しい・・・。  かつて「健康優良児」は一般用語でもあった。新聞社、文部省などに選ばれた本物でなくても、「お宅の子は健康優良児だから」などと用いられていた。しかしあの表彰制度や言葉自体はいつ頃に消えたのだろうか。広辞苑を引いてみたら、出ていない。何だか白昼夢を見る思いであった。(恂)

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