風光る歩幅も広く手を振りて   高橋ヲブラダ

風光る歩幅も広く手を振りて   高橋ヲブラダ 『この一句』  晴れ晴れとした感じの、気分の良い句である。まだ外気は冷たく、東京でも最低気温が1度とか3度とかいう真冬並みの寒さだが、陽の光りはもうすっかり春の明るさを示している。  これは朝のウオーキング風景であろうか。引き締まるような感じの中で、眩しい朝日を浴びて力強く大股の一歩を踏み出す。もちろん両腕を前後に大きく振って。あるいは普段の朝の出勤風景ととってもいい。ほぼ決まった時間に玄関を出る、何の変テツもない毎朝の風景なのだが、晴れ上がった日にふと感じる、ことの外新鮮な気分がこうしたつぶやきとなり、句に仕上がったという風にも思える。  句会でこの句を見た時には、何だか朝のラジオ体操の「あーたーらしいあーさがきた、きぼーのあさだ・・・」というテーマソングみたいな、NHK的気分がして取り損なってしまった。しかし、改めてじっくり読むと、これは素直に無邪気に風光る朝の気分を詠んだ句であることが分かる。今では「取っておけば良かったな」と反省している。(水)

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