陽気なる一膳飯屋福寿草   大熊 万歩

陽気なる一膳飯屋福寿草   大熊 万歩 『合評会から』(日経俳句会) 正 夫婦でやってるのか明るい感じの飯屋があって、棚の上の福寿草の鉢が明るさを際立たせている。いい感じの句ですね。 大虫 「陽気な一膳飯屋」でほのぼのとした雰囲気を味あわせてくれます。 青水 駅裏か、はたまた下町の路地奥か。客は馴染みばかり。板場の大将の声が一際大きく響く。縁起物が正月気分を盛り立てている。 智宥 この間久々に由緒正しい定食屋を見つけました。“フロアレディ”三人は皆八十代の風情。煮魚定食を持ってくる足取りも危なっかしい。客はその辺のおっさんばかり。いいですねえ。           *     *     * 「陽気なる」と言い切ったのが、この場合成功している。作者は「福寿草はずんぐりむっくり、なんとなく野暮ったい花のように思います。この店のオバサンも太っちょの賑やかな庶民的な人」だという。福寿草は玄関の棚に置けばそれなりに品良く納まる。一膳飯屋の煮染めたような色の小っちゃな棚に置かれれば、愛敬たっぷりに咲く。(水)

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