逆立ちの尻をふりふり池の鴨   加藤 明男

逆立ちの尻をふりふり池の鴨   加藤 明男 『合評会から』(日経俳句会) 万歩 俳味のあるいい句だ。不忍池で詠んだのかな。いかにも俳句的だ。 綾子 とてもかわいいいい句です。鴨はよく見かけますが詠むのは難しい。それを客観写生手法でうまく詠んでいます。鴨がよく見えてくるようです。 大虫 風景が分かりやすい。水の中でのリズミカルな動きが、いい感じで表現されている。 冷峰 私の家の近くの落合川でよく見かける光景です。こんなに上手に俳句になるんだなと感心しました。           *     *     *  尻をぶるぶるっと振るわせ上半身を揉み込むようにするのは、元来水に浮くように出来ている身体を無理矢理水中に沈めるための動作なのだろう。こうして水中の小魚を捕まえたり、水底の虫をついばんだりしている。水鳥たちにとっては日本の冬はこの上なく心地良い。ひと冬過ごす間にたっぷり栄養を取り、子鴨は成長し一人前になり、親鴨は北方大陸に帰ってからの産卵育児の体力をつける。鴨の様子を適確にしかもユーモラスに描写している。(水)

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