その後は飲みて食らひて初詣   大下 綾子

 明けましておめでとうございます。今年も恂之介と水牛が皆様の名句を褒めそやしながら、勝手なコメントをくっつけて掲載して参ります。地味で無名のブログですが、なんと暮れの30日に累計訪問者が5万人を突破しました。皆様のご支援のおかげと篤く御礼申し上げます。今年もご愛読のほどよろしく。  さてさて午年の口開けは景気よい句で行きましょう。           *     *     * その後は飲みて食らひて初詣   大下 綾子 『この一句』  初詣にもいろいろある。まだ夜が明けきらぬうちに起き出して、初日の出を迎えながら鎭守さまや産土神(うぶすな)にお参りするのが最も初詣らしい感じがするが、明け切ってからお参りし、家に戻って朝食兼昼食の頃合いに雑煮を祝うという家庭もある。また近ごろは除夜詣りと一緒くたにして、神社や寺の境内で除夜の鐘を聞き、それっとばかりにお参りするのが初詣と心得る人も多い。しかし待てよ、もしかしたらこの句の初詣は初吟行を兼ねたものかも知れない。近ごろは七福神巡り吟行会が盛んになっているのだ。  どういうスタイルの初詣かを決め付けることもあるまい。とにかく、一年の初め、神社仏閣に参り拝礼すると、なんとなく気が引き締まる。日頃は不信心の極みのような手合いが、妙に神妙な顔である。  しかし、それも境内を出るまでのこと。後はもう「正月だ、思い切って行こうっ」なんて言っている。「それでいい、それでいい」。ウブスナガミも苦笑しながら見送っている。(水)

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