人間も蒲団も軽くなりにけり   大下 綾子

人間も蒲団も軽くなりにけり   大下 綾子 『合評会から』(番町喜楽会) 大虫 蒲団のずしんと来る重さが無くなった昨今、人間も軽くなった。そういう世の中をうまく現したなと。 白山 実は私、出さなかったんですが「今頃は普通の人も羽布団」というのを作ったんですがね(大笑い)、とにかく全てが軽くなりましたねえ。 冷峰 人間が軽くなったと言ってますが、近ごろは人間の命が軽くなったことが気になります。今は人一人殺したって社会面のベタ記事ですからね。むしろそっちを詠んでもらいたかった気持なんですが・・。 光迷 昔、作家の城山三郎さんにインタビューしたときに聞かされた「近ごろはもう書きたい人がいなくなったんだよ」という言葉を思い出しました。本当にソーリダイジンをはじめ軽いのばかり。それを蒲団が軽くなったこととうまく合わせたなと思います。        *   *   *  面白いのだが警句のような感じがして、句としてちょっとどうかなと思った。しかし句会では大人気。世相を軽妙に突いたところが手柄であろう。(水)

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