焼芋や少年の日の赤バット          金指 正風

焼芋や少年の日の赤バット          金指 正風 『合評会から』(酔吟会) 佳子 赤バットと焼芋の取り合わせが合っています。時事句でもあるし、いいですね。 水牛 川上哲治が活躍していた頃は、焚火でよく焼芋を焼いていた。少年たちは川上の赤バット、大下の青バットに夢中で。野球カードの紅梅キャラメルも人気があったが…。 恂之介 川上の赤バットが出てきたら、採らないわけにはいかない。 臣弘 焼芋、少年、赤バットとノスタルジーの三つ揃いだが、よく分かる句だ。ただ私はアンチ巨人だからね。この句は採らなかった。               *        *  赤バット、背番号16、弾丸ライナー。戦後のヒーローの死で、当時の少年たちにはいろいろな記憶が甦ってきたに違いない。食べ物、映画、遊び、友達のこと。人それぞれだろうが、私は何と、当時の少年雑誌に載っていた短歌を思い出した。「川上の16番とお風呂屋の下駄箱開ければ二足も入ってる」。もちろん詠み人知らず。作者いま、俳句、短歌なんぞを作っているのかなぁ。(恂)

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