名月や老いの寝入りを妨げし        印南 進

名月や老いの寝入りを妨げし        印南 進 崇 「寝入り」という言葉は使えそうで、なかなか使えない。月があんまり奇麗なので、寝ないで眺めている、という状態を「(月が)妨げし」と詠んだのも上手い。 論 めったにないような月なのですね。寝るのが惜しいというのは、名月だから寝てしまってはもったいない、ということでしょうか。 信 煌々とさす月に、何かを思い出して眠られないのかも知れない。 進(作者) 今年の名月は特に綺麗だった。寝ようと思って雨戸を閉めようとしたが、素晴らしい月なので、しばらくそのまま眺めていました。               *           *  就寝を遅らせたのを、美しい月のせいにしたところが面白い。ただ「名月や」がどうか。切れ字にうるさい人に「“や”で切れるから、寝入りを妨げたのは月でなくなる」と注意されるかも知れない。「月今宵」「今日の月」(どちらも名月と同じ)などとすれば、問題はなくなるだろう。(恂)

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