友逝きて仰げば白し朝の月      河村 有弘

友逝きて仰げば白し朝の月      河村 有弘 『合評会から』(三四郎句会) 論 友達の亡くなった気持ちと月の白さがよく合っています。朝の月がいいですね。 尚弘 朝の月って確かに白いですよ。友達を失ったさみしさ、悲しさをよく表わしている。 進 友逝きて……。年を取ってくると、こういう状況はどうしても避けられない。朝の白い月に、ただ悲しさだけではない、しみじみとした感じも加わっていますね。 恂之介 お通夜に付き合って、夜明けに帰ったのか。親友の死の報せを受け、早朝に慌ただしく家を出るときとも考えられる。そんな時の朝の月。「仰げば」は不要かと思ったが、必要かも知れない。         *           *           *  「子規逝くや十七日の月明に」(高浜虚子)を思い出す。子規の死去は明治三十五年九月十九日(旧暦八月十七日)。報せを聞いて子規邸に向かう時の作だという。虚子は「明るい旧暦十七夜の月が大空の真ん中にあった」と書いている。月はどんな色をしていたのだろうか。(恂)

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