子等はみな異国にありて秋の雲         井上 啓一

子等はみな異国にありて秋の雲         井上 啓一 『合評会から』(番町喜楽会) てる夫 我が身に重なる部分がありましてね。この句のセンチメントがよく分かります。 佳子 空を見上げて外国に住んでいる子供たちのことを考えているのですね。 恂之介 子供だけではなく孫もいるのでしょう。よくあるパターンの句と言えますが、異国と秋の雲がぴったりで、しみじみとした感興をもらいました。 水牛 そう、秋の雲がよく似合う句ですね。親の心情がほどよく吐露されている。           *           *  作者はILO(国際労働機関)などの要職を歴任した元・国際公務員。三人のお子さんはみな父の赴任地でもあったジュネーブ(スイス)に住み、それぞれ家庭を持っている。作者夫妻もジュネーブ住まいを検討していたが最近、日本に住み続けることを決めたという。子供や孫たちのことを遥かに想いながらの日々が、これからも続くことになる。(恂)

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