敗戦日餌をついばむ鳩しずか          田村 豊生

敗戦日餌をついばむ鳩しずか          田村 豊生 『合評会から』(三四郎句会) 賢一 敗戦日は毎年、回ってきますが、鳩は今年も同じように餌をついばんでいる。この静かさがいい。 恂之介 敗戦日、終戦日の句は悲惨さや辛さなどの思い出を、訴えるように詠むことが多いけれど、この句は逆ですね。日常の風景を詠んで、なるほど敗戦日とはこういうものだ、と思わせる。 有弘 句の雰囲気から、「敗戦日」より「終戦日」の方が合うかな、と思いましたが。 豊生(作者) 私は「敗戦」にこだわっていて、「終戦」は使いたくない。負けたことをしっかりと受け止めていきたいのですよ。 崇 (今句会の投句の)全句を調べてみたら、「終戦」が十一句、「敗戦」十句だった。作り方は年代で違うし、採り方にも世代的な傾向があるような気がする。この「終わったのか」「負けたのか」で、けんか腰になる人もいるくらいですからね。            *           *  俳句愛好者の多くは「戦争を知る最後の世代」である。敗戦を語り継ぐべき世代、とも言えるだろう。(恂)

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