はすかいに雀流るる野分かな   佐々木 碩

はすかいに雀流るる野分かな   佐々木 碩 『合評会から』(日経俳句会) 正 野分の一瞬の光景をうまく切り取っています。野分の激しさと雀の斜めに飛ぶ様子が見えて来るようです。 定利 雀がはすかいに流れるというのがいいね。ただこれは実際に見たのかなあ。(爆笑) 正裕 「流され」ているのではなく「流るる」なんですね。これが良かったんでしょうね。 反平 これは「野分中」とした方が良かったんじゃないか。        *   *   *  句会で最高点を獲得した句。「水墨画になりそうな景」(万歩)、「目の付け所が俳句的」(柏人)、「風に耐えている雀がいじらしい」(操)と多くの賛辞が寄せられた。確かに俳句的な情景だし、雀の健気さも伝わって来る面白い句である。ただ、定利さんも言うように頭の中で拵えたような感じもする。合評会でも同様の意見が相次いだ。とことん趣向を凝らすのも俳句の道の一つだが、作品ではその痕跡を消さねばならない。このへんがとても難しい。(水)

続きを読む