父も子も瓜実顔や敗戦忌          大澤 水牛

父も子も瓜実顔や敗戦忌          大澤 水牛 『この一句』  瓜の種は細長い。ただしよく見ると一方がやや広く、他方がやや狭い。これが「瓜実顔」だと、私は独断する。辞書によれば「色白く、やや細長い顔」となるが、顔の上部より下が細いのを瓜実顔の条件としたいのだ。ボクシングで言えばチン(顎先)が細く、一発でKOされやすいタイプである。  つまりこの句の父と子(男の子)はイケメンではあるが、どこか弱々しく、頼り甲斐のない顔形をしているのだ。団塊の世代はすでに瓜実顔が多く、その子も孫も、細面の傾向を深めていく。顎が細くなった結果、永久歯の数の少ない子供が増加中である。行きつく先は「宇宙人の顔」だという。  江戸時代の人骨研究者によると、殿様の多くは瓜実顔だった。幼い頃から大事に育てられ、柔らかいものばかり食べていると、顎が細くなって行くのだという。一方、普通の子は小魚やスルメなどを咀嚼し、顎の張った丈夫そうな顔立ちになっていったが、現在は……。日本人の顔はこぞって殿様型に向かっている。「日本危うし」。敗戦日を期に詠まれた、この句の真意を読み取らねばならない。(恂)

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