にわか雨土の匂へる土用かな   前島 厳水

にわか雨土の匂へる土用かな   前島 厳水 『合評会から』(番町喜楽会) 百子 暑い土用。俄雨が来ると土が匂うんですね、そういう微妙な感じをうまく詠んだなと思いました。 楓子 乾燥しきった土に雨が降ると、土が匂うような感じがします。その感じを詠んでいるところがいい。 大虫 俄雨が降った途端にじゅっという感じで匂う。匂うように感じるのかも知れませんが。いかにも土用らしいなと思います。 てる夫 理科系じゃないんで専門的な説明は出来ませんが、やはり地面が熱いからなんでしょうね、まさに匂うような感じがします。           *   *   *  一瞬の微妙な感じを素早く捉えた。視覚、聴覚に加えて嗅覚まで働かせて猛暑をまざまざと詠み止めている。問題は「にわか雨」。「俳句は旧仮名表示が原則」というのに従えば「にはか雨」としなければならない。昨日発信の蛍の句の「ようやく」も「やうやく」となる。しかし、現代の読者に素直に受け取ってもらえるかどうか。悩ましい問題である。(水)

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