国東は鬼さへやさし麦の秋   野田 冷峰

国東は鬼さへやさし麦の秋   野田 冷峰 『合評会から』(日経俳句会合同句会) 綾子 国東半島にはまだ麦畑がいっぱいあり、鬼が縛られるお祭りがある。「鬼さへやさし」がいい。 二堂 国東には鬼会(おにえ)という祭があって、鬼が仏の化身みたいな文化があるらしい。鬼の優しさが強調されていていい句だ。 頼子 国東半島には磨崖仏とか仏教遺跡がある。風土も厳しくなくていい所。高校時代の担任から郷里の怖くない鬼の話を聞いていた。 正裕 「鬼さへやさし」が麦の秋と合っていて、いかにも俳句らしいなと思います。 光久 国東半島の見渡す限りの麦秋は印象的だ。素朴な豊かさと鬼との取り合わせが上手い。           *     *     *  作者は大分県国東半島が大好きで、しばしば出かけてはさ迷い歩くのだという。「くにさきはおにさへやさし」という柔らかな調べが素晴らしい。麦秋ののんびりした土地の風情に身も心もゆだねている感じが伝わって来る。(水)

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