縁談を笑ひとばして桜餅        大澤 水牛

縁談を笑ひとばして桜餅        大澤 水牛 『この一句』  母親や叔母(伯母)、祖母なども集まった「家族内女子会」のようである。桜餅を頂きながら談論風発というところだろう。休日だったので家にいた娘が「あら、叔母さんたち、いらっしゃたの?」などと言って部屋に入ってきた。話題はたちまち娘の結婚のことになり、集中砲火を浴びることになる。  もう十年も繰り返されてきたことである。初めの頃は、鬱陶しいなぁ、と迷惑がっていた娘も、もはや動じることはない。「あはっは」と豪快に笑って、叔母さんたちの舌鋒をいなしている。「キャリアウーマンだものね」「仕事がいそがしいのでしょ」と、向こうも娘の立場を理解してきたようだ。  句会の合評会では「好きな人がいると思う」「適齢期を過ぎた悲哀も」「縁談を秘かに期待しているのでは」などうがった観測も出た。この句、NPO双牛舎で行われた連句の発句に推されている。脇を受け持った私は「外国人の部下と甘酒」とつけた。こういうケースもあり得るだろう、ということである。(恂)

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