曳かれゆく浚渫船や湾のどか   谷川 水馬

曳かれゆく浚渫船や湾のどか   谷川 水馬 『合評会から』(番町喜楽会) 百子 浚渫船は重たい船で、ゆっくり曳かれて行くんですね。いかにものどかな感じがします。 白山 東京湾にも横浜港にも、どこにでも見られる風景ですが、おそらくは夕方でしょうか。いいですね。 啓一 いかにも春ののんびりした感じが伝わってきます。隅田川の東京湾になるあたりを思い浮かべました。 鬼一 ゆっくりと曳かれてゆく浚渫船と、曳航するポンポン蒸気の音が聞こえて来るようです。           *  何の作為も衒いもない句である。のどかな湾に相対した気分を、動くとも見えないほどの速度で動いて行く浚渫船に託して詠んでいる。作者によるとこれは三月中旬、俳句仲間連れだって出かけた萩湾の夕景だそうである。そう聞けばますますのんびりした感じになる。(水)

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