連衆の寄り目で掬ふ素魚かな   谷川 水馬

連衆の寄り目で掬ふ素魚かな   谷川 水馬 『季のことば』  日経俳句会・番町喜楽会の連衆八人で三月上旬、山口、萩、津和野を巡り、萩の漁港の海鮮市場「シーマート」での昼食風景。萩は河豚、海老はじめ活きのいい海産物が豊富だ。市場には旨そうな魚がたくさん並べてある。気に入った魚を買い求め、横手の料理屋に持ち込むと料理してくれるシステムになっている。あれやこれや注文した中の一品がシロウオだった。  素魚と書いて「シロウオ」。ハゼ科の小魚で体長五センチほどの透き通った魚だ。北海道から鹿児島まで列島沿岸にいるのだが、中国・九州地方で春を呼ぶ魚として特に人気が高い。産卵のために川に上がって来るのを網で掬い取るのだ。サケ目の白魚(シラウオ)とよく混同される。どちらも旬は三春、食べ方もよく似ている。白魚も素魚も俳句では「しらうお」あるいは「しらお」と詠まれる。  鉢に泳ぐ素魚を小さな杓子で掬い、ピチピチはねるのを手元の酢醤油の小皿に受けて啜り込む「躍り食い」が名物なのだが、皆々視力に問題が出て来る年頃のせいか、なかなか掬えない。賑やかな昼食になった。(水)

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